「努力をすれば夢は必ず叶う」という言葉は、誰もがどこかで聞いたことがあります。そんな言葉、聞いたこともないという人はまずいないでしょう。(同義語に「練習は嘘をつかない」「努力は人を裏切らない」などもあります)
こういったセリフは、テレビCMや広告などのコピーや流行りの歌の歌詞などによく出てきます。CM、ドラマ、映画、歌といった作品は、むしろそういった「奇麗事」に感動したり、楽しむ世界です。(作品の世界は夢や希望がテーマになっているものが多いものです)
しかし、現実の日常の中で「努力をすれば夢は必ず叶う」などと言う人はほとんどいません。それは、口に出すには、白々しくて気恥ずかしい感覚があるからです。作品の世界と違い、現実世界で言うにはあまりにクサいセリフなのです。
最近では「努力は必ず報われるなんて言うけど、そんなわけないよね」とわざわざ言ったり、冷笑したりする人もいます。
確かに現実は努力しても報われる(成功する)とは限りません。どれだけ努力をしてもダメなときはダメ。これは当然のことであり、わざわざ言わなくとも経験上、誰もが知っている当たり前なことです。
では、現実世界においては、この言葉はCMや歌やドラマの世界と違い、そんな都合のいいことはないと冷ややかに受け取るのが当然なのでしょうか。
この言葉の効用は何か?
私はこの言葉には重要なヒントがあると思います。
何か困難なことを成し遂げようとするとき、意欲、信念、確信、そういう心的な姿勢が成否を分けることが多くあります。
始める前から「ここまで努力すれば確実に成功する」と保証されているものなど、普通はありません。どれだけやってもうまく行かない可能性がある中で、それでも成功の可能性を信じて前へ進まなければならないわけです。
困難なことを成し遂げる人というのは、どれだけやっても成功しない可能性がありながらも、それでも諦めずに努力し続けることができるタイプに多いのです。その努力を継続できる原動力となっているのは、「きっとできるはずだ」「必ずできる」という確信や信念です。つまり、成功への確信や信念を持っているほど現実に成功する確率が高くなるということになります。
努力しても成功しなかった人は、「元々、努力してもダメなことだったのだ」と考えがちですが、実は始めから「うまくいかないんじゃないか」という疑念や不安がどこかにあり、意欲、確信、信念が不足していて、皮肉にもそれが原因となって失敗を誘引してしまったというケースも非常に多いのです。
ここまでで分かることは、つまり「努力は必ず報われる」「努力すれば夢は必ず叶う」という言葉は、成功の確率を最大限に高めるための魔法の暗示のようなものなのです。
今、何かを達成しようとしているなら、「よし、絶対にうまくいくぞ」と、まずは強く信じましょう。そうすれば、それを実際に達成できる確率は、そう信じていない場合と比べて飛躍的に高くなるはずです。
努力の途中で壁にぶつかっても「そうだよな。努力が必ず報われるわけなんてないよな」と、冷笑する人たちの言葉にそそのかされて意気消沈してはいけません。それは、あなたの成功の足を引っ張ろうとする悪魔の囁きと思い、再び前進しましょう。(ただ、努力の方向性が正しいか、時々、慎重に確認して進む必要はあります)