意識を意図的に選択することを学ぼう

出会ったばかりの人に対して、その人を早く理解したいと思った場合、その人が普段、何に興味を持ち、何に意識を向け、何を考えている時間が多いかを会話などで探って知るのが手っ取り早い方法です。つまり、よく意識を向けていることがその人が何を重視しているかという価値感を表しているということです。当たり前といえば当たり前のことです。

しかし、何によく意識を向けて生活しているかを自覚している人はあまりいません。私たちが普段よく意識を向けているものの多くは意図して選択したものではなく、無意識に確立されたものが多いのです。

ここでポイントになるのは、「意識を多く向けていることが重要なことになっていく」という点です。勘違いしないで欲しいのは、意識を向ける対象が重要だから意識を向ける時間が多くなっていくのではなく、意識を向けている時間が多いものはその対象が自分の中で重要なことになっていくということです。

悩みというものは、自分が気にさえしなければ問題でも何でもないということが多くあります。例えば、誰かの自分に対する態度や言葉が気になったとします。気にしたくないけれど、気になって繰り返し思い出す。「それは何でもないことだから気にすることはない」と意識を多くそこに割く。そうしているうちに意識が「囚われる」状態になってしまい、その悩みは自分の中で重要なものとなっていき、より悩みは深刻化してしまうという矛盾に陥ってしまいます。これは、自分で重要なものではないと知っていながら、意識を向け続けることで重要なものになっていってしまう一つの例です。

「意識を多く向けているものは自分にとって重要になっていく」ということから導き出せる有益な答えはふたつ。何に意識を多く向けることが自分への投資になるかを考え、自分にとって本当に大事なことに意識を向ける時間を多くすること。もう一つは、つい考えがち、囚われがちな「長く意識していると害のあること」を意識しないようにすることです。

考えたくないが、意識が囚われてしまうことというのは日常の中で多くあります。気がつけばつい考えている、気にしているという状態です。これを引き離すのが如何に難しいかは私自身もよく知っています。

これに対するテクニックの一つとしては、脳はふたつのことを同時に考えられないという特性を利用することです。意図的に他の対象に考えを向けば、それ以外のことを考えることはできなくなります。ですが、気になることは意識を向けたいという欲求があるので、中々排除できない厄介さがあります。「考える内容を入れ替える」ということを根気よく繰り返して慣れていくしかありません。「今はうまくいかなくてもいずれ慣れる」と思うことです。

何に多くの意識を向け、興味を持ち、考えるかは自分の人生への投資にもなる大事なことです。考えを多く割いていることは自分の中で重要なものになっていくわけですから、自分に投資になることを選択すれば自ずと考えていることが実現する可能性を高くすることができます。同時に、自分にとってマイナスになることを重要なこととしないために、結果的に害になることは意識から逸らすことも同時に重要になります。これを忘れないようにしてください。

人生に有意義な目標があればそれについて日々、どれくらい考えているでしょうか。そして、他愛のないこと、気にしても仕方ないことを意識しすぎてはいないか?目標と関係ない多くの気晴らしに時間(意識)を費やしていないか?(気晴らしはほどほどであれば有益だと思いますが、度が過ぎると有害です)そういったことを振り返ってみて、時折、意識の向け方を「点検」してみるのはとても有益なことです。

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